和の美術めぐり 2011-2013

(2008-2010 は こちら)

(2005-2007 は こちら)

120329 地上の天空・北京故宮博物院展
東京富士美術館

 

 

 この展覧会は、清朝の后妃にスポットを当てた華やかな展覧会。

 后妃様が坐る畳1畳分ほどもある大きなデコラティブの御坐が入口にどーんとあります。

 皇后の礼服は明黄色の地に雲龍模様が刺繍でびっしり縫いこまれていてちょっと重たそう。

普段着も蝶や吉祥字が刺繍された豪華なもの。髪飾りや、ネックレス、冠も玉や真珠・翡翠・七宝などで装飾され、きらびやかです。今、はやりの肌をきれいにするローラーもありました。

 《女孝経図》←は、妃たるべき女性の守るべき作法、物腰、礼儀、賢さ等を絵巻物にしたもので興味深かったです。

自分のことは後回しにして主人、姑、舅につかえること、朝早く起き、徳を積み勤勉で礼儀正しく誠実に生きる…など今では耳に痛いことも多いです。

 《后妃たちの四季折々の余暇の図》は宮廷女性の最新のファッション、髪型と当時の室内の家具や陶磁器などが細かく丁寧に描かれています。一番驚いたのは《晩秋持表対菊の》画中の掛け軸です。黒地に金字で200字ほどの素晴らしい漢字が書かれていました。

西太后は清朝において絶対的な地位を確立した人ですが、毒殺事件や、わが子を無理やり皇帝にしたり、贅の限りを尽くした派手な生活をしたり悪名高い人です。爪を長く伸ばし、爪カバーをしている肖像画がありました。

宮廷内の権力争いなどいろいろあった清朝ですが、皇妃の優雅なきらびやかな生活を垣間見ることができました。

 
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120320 東博本館
東京国立博物館

下記の展覧会のついでに本館にも寄りました。国宝室には狩野長信の《花下遊楽図》屏風。

桜の時期なので、サクラの意匠のものがあちらこちらに展示されていました。特に浮世絵はすべて桜づくし。それに小袖・打ちかけも桜づくし。華やかです。

茶の美術室の所には仁阿弥道八の《黒楽鶴亀文茶碗》←。外側には鶴が、見込には亀が描かれています。濃茶を飲み終わったお客たちは亀の画がでてきてさぞ感激することでしょう。遊び心のある粋な茶碗と思いました。

ちょうど黒田清輝「作品に見る憩いの状景展」もしていたので、有名な《河畔》←ほか 黒田の作品をまとめてみることができました。

《さくらスタンプラリー》にも参加して、今日から開放されている庭園にも出て鮮やかな紅梅を楽しみました。

 
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120320 ボストン美術館

日本美術の至宝展

東京国立博物館・平成館

明治時代 近代化を急ぐあまりに日本の美術・仏像などがないがしろにされた時、フエノロサやビゲローらによって莫大な量収集された美術品がボストン美術館にあり、今回はその里帰り展覧会。初日に行きました。

目玉は絵巻物2巻。《吉備大臣入唐絵巻》と《平治物語絵巻》  特に《吉備大臣入唐絵巻》はストーリが単純でおかしみもあり、マンガ的で楽しめました。

あと、長谷川等伯の《龍虎図》、曾我蕭白の《雲龍図》←の二龍が豪快でありながらちょっと気弱そうで憎めない龍で圧巻。

《普賢延命菩薩》←の前では 主人と手を合わせ拝みました。病気を消して延命させてくださるというありがたい菩薩様、もともとこういう仏画は観賞するより拝む対象だったのですから・・・・。

仏像・仏画・水墨画・狩野派の画・屏風等々保存状態の良いものを沢山堪能しました。

 
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120224 東洋陶磁の美

サントリー美術館
          

大阪東洋陶磁美術館からの名品が展示されています。

陶磁器は”china”と言われるだけあって中国のものは名品揃い。

緑釉の緑は濃く美しいし、唐三彩も不思議な色の取り合わせだが個性的。青磁は緑がかった青。飛青磁の花入れ←これは国宝。白磁になるとこれもまたアイボリーの色で美しい。白地にはっきりと青で模様のある青花も好きです。あとは五彩のような華やかな模様のもの。

そして今回私が一番気に入ったのは、黒釉の部類に入る油滴天目←、やや小ぶりでつやがあり、なんと金で覆輪がついています。説明によれば豊臣秀次が所持していた物だそうで、国宝です。木の葉天目にも再見。

高麗青磁は中国のものとは色合いが少し違って、灰色を帯びた青になり、渋く落ち着いた感です。

粉青の壺は日本でいう三島で、灰色です。韓国の青花は青の線が細く弱々しく、しかも白濁しています。奥ゆかしいというか ぼけているというか・・・。 まあ わびさびの感覚とも言えます。

今回の展示品はどれも「真新しいものなのでは」と思われるほど、保存状態がよく、まさに悠久の美術品揃いでした。

 
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120205 近代日本画名品展
三越ギャラリー

吉野石膏株式会社が蒐集した近代巨匠の名画展。

大観、松園、清方、青邨、御舟、遊亀、深水、球子、それに五山と呼ばれた東山、杉山、高山、加山、平山の各画伯という そうそうたる画家の力作が見られました。

どの絵も素晴らしく、吉野石膏のセンスの良さが分かります。吉野石膏はあまり作品を貸し出さないとのことで、初めて見るものばかりで貴重な展覧会でした。

とても気に入ったのは東山魁夷の「白暮」「宵桜」←。それに加山又造の「白鷺」・・・これにはびっくりします。若冲のような細密さに。

心和む、いい展覧会でした。

 
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120131 松井冬子展
横浜美術館

 松井冬子はそのおどろおどろしい画風で若いながらも早くから頭角を現している画家です。

鉛筆で描かれた下図も何枚も入れて膨らませての、大きな公立美術館での個展。その不気味さがどんなものか好奇心もあって見に行きました。

《世界中の子と友達になれる》というサブタイトルが付いています。しかし、どの絵を見ても到底このサブタイトルの意味を理解できません。

絵の題名も長く、しかも絵との関連が分かりにくく、キャプションに冬子の講釈が書かれているのですが、これまた超難解。

写真の絵←も藤の花の下を下着姿で裸足で歩いている女性、右にはゆりかごがあるので若い母親?藤の花の下の方には蜂が気持ち悪いほどびっしりと張り付いています。女性の手足は血が滲んで・・蜂に刺されたのかな?・・います。

描写力・想像力は素晴らしいのに画の題材が素人には理解しがたいものばかり。ダリを彷彿とさせます。真の芸術家なのかも・・

最後に《生まれる》という題でトンボがヤゴから生まれる色紙絵があり、万人にも分かる絵でしめられ、ほっとして会場を出ました。

 
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120122 平清盛展
東京江戸博物館

 

今年のNHK大河ドラマ「平清盛」に因んだ展覧会。

国宝が何点も出ている。 まず←《平家納経》が4点…見返し画があって、きれいな揃った文字で写経されています。上下の余白には雲や、植物等の模様がある、素晴らしい料紙です。そして、これら33巻の巻物を入れていた経箱も、金や銀の雲や龍、宝珠の模様を施された見事な重箱。

また国宝《平清盛・頼盛合筆、紺地金字法華経》は清盛の自筆が見られ良かったです。NHKドラマではハチャメチャな清盛もきれいな字で写経しています。頼盛はちなみに腹違いの弟。

奈良絵本の「平家物語」「西行物語」がありましたが、細かい絵できれい。お坊さんとしてのイメージが強かった西行はこの頃はれっきとした北面の武士。西行の消息文や歌切れもあります。

平氏は名前に皆「盛」という字が付くので、誰が誰やら分かりにくく帰ってから平氏の系図をみました。

しかし、その頃の人間関係は複雑で保元・平治の乱などは誰と誰が戦ったのかすごく分かりにくいです。

帰ってからドラマ「平清盛」第3回をTVで観ましたが、人間関係をフォローするのに大変です。

 
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120102 北京故宮博物院200選展

「清明上河図」の世界

東博平成館

この展覧会の目玉は何と言っても「清明上河図」。中国でも公開されることはめったにないほどの超一級文物。「神品」といわれています。

初日の2日は待ち時間が多く長蛇の列だったのであきらめ他のものを見て、4日に出直しして約1時間行列してようやく見られました。

縦24cm長さ5m程(思ったより縦が短い)の絵巻に北宋時代の都市に住む人々の生活を克明に生き生きと描かれています。家の中の人物、お店で買い物をしている人、橋を渡っている大勢の人、旅人、食堂、酒宴をしているところなど…。人物は2cmくらいなのですが丁寧に衣装や顔が描かれていて、びっくりします。700人くらいいるそうです。

作者の《張択端》なる人物、よほど目が良い方だったのでしょう。天才画家です。まさに「神品」。

清の乾隆帝←は偉い人でした。たった2%の満州国が漢やチベット民族をまとめたのですから。宗教や衣装等それぞれの民族のものを敬い、広い心で接したため500年にもわたる清朝時代を築いたのです。  肖像画が何枚かありましたが、とても穏やか出柔らかなお顔です。

展示品も多文化の清朝の世界観を味わうことができました。

 
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111231 隠元禅師と黄檗文化の魅力
日本橋高島屋

黄檗宗大本山萬福寺は臨済宗の隠元禅師が1661年に創建し、今年はその創建350年記念の年だそうです。

隠元といえば隠元豆ですが、そのほかにもスイカ、レンコン、タケノコ、ところてん、煎茶、また原稿用紙、明朝体等を日本にもたらした方です。

チラシ←は《韋駄天》さま。走るのが速い方です。羅漢様も沢山登場していました。中国情緒あふれる萬福寺の寺宝をいろいろ拝見しました。

そして隠元は能書家で、軸も沢山書かれています。

 
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120105 上田宗箇

武将茶人の世界展

銀座松屋

広島に本拠がある上田宗箇流茶道の展覧会。

上田宗箇は秀吉の側近として活躍した武将。茶道は古田織部に師事し、織部の「へうげ」と利休の「わび」を融合させて独自の「ウツクシキ」という世界をつくりました。

宗箇のすごいところは自分で、茶碗・茶入を作陶したり、竹で花入・茶杓をつくってしまうことです。茶碗「さても」←は光悦風の筒型のもので、ヘギメも力強くプロ並みの出来栄えです。

広島、和風堂の《鎖の間》で当代家元がお点前をされているビデオが放映されていました。お辞儀の仕方も武士らしく、帛紗捌きや、茶巾のたたみ方、柄杓の扱いも独特で、剛柔取り混ぜたようなお点前で興味深かったです。

 
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2011年度の展覧会のベスト3

@狩野一信 五百羅漢展

Aホキ美術館開館記念特別展

B歴代沈壽官展

   
111020 春日の風景
根津美術館

春日宮曼荼羅

根津美術館で企画された《初めての茶会》に参加したので、この展覧会も見られました。

春日・・といえば阿倍仲麻呂の「天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山にいでし月かも」を思い出しますが、春日大社の風景という企画です。

春日宮曼荼羅がなんと20点ほども展示されていました。

 曼荼羅というと 仏さまが沢山描かれている密教のものを想像しますが、春日宮曼荼羅は春日大社を中心に三笠山や周りの風景、桜の木や、鹿などが描かれていて、こういうものも曼荼羅なのかしらと思いました。

鎌倉時代の丈2mの春日宮曼荼羅←は色彩もしっかりしてい、て一ノ鳥居から二ノ鳥居、本殿までの参道は金色です。鹿が何匹か遊んでいてのどかな自然風景。上の方には三笠山があり、その下に5仏が描かれています。

遣唐使はこの春日神宮にお参りをして安全祈願をして中国に旅立ったそうで、神聖な場所だったのです。

瑠璃燈籠は小さな青色ガラス玉(ビーズ)を繋げて六角の側面を飾ったとてもきれいなものでした。

 
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110918 北斎とリヴィエール 三十六景の競演
ニューオータニ美術館
  「建築中のエフェル塔」

ジャポニスムが流行していたフランスで、北斎の「富嶽三十六景」に触発されて、「エフェル塔三十六景」を描いた画家がいます。その名はパリ生まれのアンリー・リヴィエール。

エフェル塔の工事現場、パリのいろいろな風景、セーヌ河の船など36枚です。どの絵にもエフェル塔が大小さまざまに描き込まれています。構図など北斎や広重を大いに参考にした印象です。

グレーの濃淡、、淡い朱、白と色数少なく、いかにもフランス人のセンスが際立っています。そして日本的に サインでなく朱の落款印が押されています。

富嶽三十六景、エフェル塔三十六景を同時に比べて観賞できる、まさに競演 大変面白い企画展だと思いました。

 
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110713 古筆切
根津美術館
          光明皇后筆 

古筆切とは平安から鎌倉時代の《古今和歌集》や《和漢朗詠集》などの歌集の巻物が切断されたものです

巻物のまま残っていればよかったのですが、室町時代、茶道が流行するとともに、床の掛軸にするために切断して観賞するようになりました。

○○切、△△切、といろいろありますが、その名前の付け方は所持した人の名前からや、伝来した家や寺の名前からや、書かれた内容からや、料紙の特徴からなどということだそうです。ですから、古筆切はものすごく沢山あります。

かなは流れるように流麗ですが、変体仮名があるので読むのは難しいし、いちいち読んでいたら疲れます。全体を絵画のように見て観賞するのが精いっぱいでした。筆の穂先いっぽんでつなげた連綿線、見事です。

聖武天皇と光明皇后の書は漢字で読みやすい整った素晴らしい書体でした。

大体かなの作者には《伝》が付いています。伝・藤原公任とか伝・小野道風等…。

昔の方は和歌を詠んだり、素晴らしい仮名を書かれたりすごいです!

 
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110503 華麗なる日本の輸出工芸
たばこと塩の博物館

 

     

明治時代、外貨獲得のため海外に輸出された工芸品の展覧会です。

貝や、象牙を彫りこんだ芝山細工という屏風や家具、 凝った寄木細工の工芸品、 いかにも日本っぽい図柄の有田焼や、真葛焼の皿・壺・食器など並んでいました。

芝山細工や寄木細工は本当にびっくりするほどの芸術品。これを見た海外の人はさぞかし度肝を抜かれたことでしょう。これらは海外でジャポニズムというブームを引き起こしました。

海外に輸出されたものを今また日本の方が買い戻しておられるようです。

本当にそのころの日本の技術は素晴らしかっと実感、それが”今の日本の技術の素晴らし”さにもつながっているのでしょう。このように素晴らしい工芸の技術は、今では跡を継ぐ方がどんどん減っているようで本当にもったいないことと心が痛みます。

 
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110429 五百羅漢

幕末の絵師狩野一信

江戸東京博物館

狩野一信…初めて知った江戸後期の絵師ですが、この絵師すごいのです。

畳一枚くらいの大きさの紙に 大体五人の羅漢を配置した絵を、ナント100枚も描いたのですから。つまり全部で500人もの羅漢さんを描いたことになります。増上寺に大事に保管されていて、全部が公開されるのは初めてのようです。ちなみに羅漢とは悟りを得て、仏教を正しく伝えるために集まったもの達だそうです。

羅漢さんたちの日常シリーズでは弟子たちに説教したり、羅漢さん同士議論したり、浴室では体の手入れをしたりの情景が描かれています。

求道シリーズでは、地獄や、餓鬼、修羅、天変地異などに苦しむ人を救う絵です。地獄の様子が怖いです。

修道シリーズでは、衣食住にまつわる情景です。托鉢に出かけたり、仏像を彫ったり、糸を紡いで着物を縫ったり、洗ったり、家を建てたり…結構忙しそうです。

あと、動物とのふれあいシリーズ、ではいろいろな動物、鳥、魚、珍獣が現れますそして最後のシリーズでは龍宮や極楽浄土巡り。

とにか丁寧に色彩鮮やかに表情豊かに、画面いっぱいに力強、描かれていて、ユーモアもあり、100枚を見ても一枚一枚楽しめました。仏画という範疇を超え、今でいうアニメ風な絵画とも思いました。

江戸時代は素晴らしい絵師を本当にたくさん輩出したのだと、江戸時代のすごさを改めて感じました。今まで見たことがないような迫力ある絵。必見の展覧会です。

 
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110421 江戸の人物画展
府中市美術館

鈴木晴信《風炉と美人図」   応為「河畔美人」

円山応挙「波上白骨骸骨図」

このところ、浮世絵など江戸絵画の展覧会が多いです。そして今回は人物画。主人と府中までドライブ。運転は私。

入ってすぐにあったのは、ドカーンと大きな曾我蕭白の《寒山拾得》の墨絵、寒山はへらへら笑ってはいますが、ちょっと不気味、一方拾得は厳しいまなざしで寒山を見つめています。二人とも手足の指はライオンのような爪が。

私が好きな晴信の《風炉と美人図》←はこれから湯を沸かしてお茶の一服でも点てようとしている図。団扇で煽いで火熾りを・・・。現代ではガス等であらかじめ火を熾して風炉に入れますが、当時はあおいでいたのでしょうか。

また、北斎の娘の応為の《河畔美人》←も襟元がフリルのようにギザギザしていて印象に残りました。…北斎が娘を「おーい、おーい」と呼んでいたので応為と名がついたとか。

応挙の墨絵、《波上白骨骸骨図》←…これも人物画といえばそうですが、強烈でした。

《蝦蟇仙人がませんにん》の絵もいろいろな画家が描いています。蝦蟇は足が3本だそうです。

蝦蟇仙人・西王母・登竜門・菊慈童・久米仙人・寒山拾得・・等 中国の話を題材にした絵もたくさんあり、その話を知ると面白さも増します。

今までは単に「きれいだな」と見ていたものも、主人の講釈のおかげでその内容も徐々に分かりはじめ、細かく見られるようになりました。江戸の絵画は奥が深ーいです。

 
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110407 香り展
東京芸術大学大学美術館

鏑木清方《伽羅》

仁清「雌雉香合」

香りにまつわる美術展。

蘭奢待、白檀、伽羅、沈香木などの香木がまず展示されています。その香木にも茶道具のように伝来があることを知りました。貴重なものだったのですね。

香をたくということは古く飛鳥時代からあったようで、聖徳太子が父君の快癒を願って香をたくという絵もありました。また贅沢に白檀で作られた観音様もあります。

香炉、香合のほか、枕香炉、香道の細かい道具、着物を香で焚きしめる矢倉炬燵のようなもの、十の組香など、香遊び?の盤などが展示されていました。

←仁清の「雌雉香炉」は大きく、全体が銀色で目の周りが朱で鮮やかです。

香道の道具の中に折据や、花月札のような札、、志野袋などがあり、茶道の七事式は香道からもヒントを得て考えられたことがわかりました。

香にちなんだ浮世絵や絵画もたくさん観賞できました。面白い切り口の展覧会でした。

 
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110327 清長・歌麿・写楽展

ボストン美術館より

山種美術館

《金魚》歌麿

ボストン美術館からの錦絵黄金時代の浮世絵名品展です。

明治時代にフエノロサやビゲローによって大量に浮世絵が収集されました。

浮世絵は摺り物なので、摺りを重ねるうちに色彩が退色します。摺り始めのものは鮮やかな色彩ですが、残念ながら日本にそういうものはなかなかありません。ボストン美術館からのものは摺りはじめのものが多く、保存状態がきわめて良く、当時の色彩を伝えています。

清長は八等身美人のすらっとした美人画が特徴です。遊女や風俗画、役者絵などの中に、5節句のそれぞれの絵があり私は初めてみました。

歌麿は美人画が中心ですが、風俗画は花見・夕涼み・花火・屋台船などスケールが大きく、またお店屋さんでも広々とした店内にいろいろなことをしている人々が描かれていて見ていると楽しいです。

写楽は特徴のある、あの寄り目の大首絵。鼻の形に特徴があるそうです。背景は銀色に光っています。主人に聞くと、《きら摺り》と言うのだだそうです。

 
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110311 近代日本画にみる女性の美
そごう美術館

  

伊藤小坡「つづきもの」」 伊藤小坡の絵を真似て

 ”美人画にめっぽう弱い”主人と横浜まででかけました。福富太郎コレクションからの展覧会です。

美人画は浮世絵から始まって、近世・大正・昭和とつながってきました。

 鏑木清方の作品がたくさん出ています。題材も風俗画や物語画、単なる美人画・・いろいろです。

 私の今回のお気に入りは←伊藤小坡の《つづきもの》。 朝、身づくろいをした後、朝ご飯の用意をしながら台所で新聞を読む女性です。よく見ると大阪朝日新聞で、つづきものとは《虚栄の女》の文字が読み取れました。きっと面白い小説だったのでしょう。

 あと松本華用羊の《伴天連お春》処刑される前に桜を一目見たいといって桜の下に悲しそうな顔をしているお春。

悲恋の美人画も結構あって、最後は華やかな美人画、上村松園の《よそほい》。

美人画を堪能して 帰りに買い物をしているとき 大地震に遭いました。地下でしたが、ゆさゆさと今まで経験したことがない揺れ、しかも長く揺れびっくりしました。帰ってTVを見ると 東北ですごい地震だったとのこと。夕方には大津波が発生し、町が津波にのみこまれていく様子をLIVEで放映、CGの映画か何かを見ているようで信じられない怖いものでした。現実でなく悪夢であってほしいと思いました。

それから毎日地震のニュースです。お亡くなりになった方のご冥福を祈り、被災された方には心からお見舞いを申し上げます。

 
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110225 ホキ美術館開館記念特別展
ホキ美術館

昨年11月に開館したホキ美術館に主人に誘われて行ってきました。千葉外房線土気にあり、昭和の森公園に隣接しています。

現代写実絵画が中心の美術館です。入るとすぐ生島浩の作品が並んでいます。写真かと見まごうほどのスーパーリアリズム。洋服の生地の質感・調度品の質感・血管までほんのり見える肌の感じ・髪の毛の柔らかさなどびっくりしました。

画家の名前は初めて聞く名前ばかりですが、人物画あり、静物画あり、風景画あり、動物画ありで、どの画家の絵も写実が素晴らしいです。 このようにたくさんの現代写実画家がいらっしゃること、なんだか頼もしく思いました。

島村信之《レッスン》←は思わず昔バイオリンを習っていた娘を彷彿させられました。

森本草介の裸婦も美しいものばかりです。

描きにくいであろう物をあえて描く…大変な作業と思います。写実絵画は一枚描くのに相当時間がかかると思います。時間をかけて丁寧に描かれた作品だからこそ印象深く心に残るものだと思いました。

また、この美術館の建物もユニークなつくりです。

 
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110123 歴代沈壽官 展
三越ギャラリー

 ネズミを見つめる母娘像

サイン 

十五代沈壽官氏

 

 

薩摩焼は萩焼・、鍋島・有田焼同様、秀吉が朝鮮から連れてきた陶工が興したやきものです。

沈家が、桃山時代から現代まで守ってきた薩摩焼の全貌を知る展覧会。

明治維新の廃藩置県で島津家の保護からはなれた明治時代に十二代は大変苦労されたようです。

しかしいろいろと新しい技術を開拓したり、折からのジャポニスムの波に乗って、何とか生き延びることが出来ました。

今回は十二代の素晴らしい作品が沢山展示されていました。透かし彫りや、浮彫の超技巧、おさえた華やかさの繊細で上品な絵付け、象牙のような白の生地、それに細かい貫入・・・見事です。

香炉や皿、大きな花瓶の他に、観音様や、←「捻りもの」というなにげない日常のドラマを表現した人物などの置物も十二代から作るようになり、これらも素晴らしいです。リアドロの陶器製とでもいいましょうか。

当代十五代も、伝統的な技法を守りつつ花瓶に蝶や、カブトムシなどを止まらせるアイディアをプラスされたりした作品を作っていらっしゃいます。

歯切れの良い分かりやすい《お話会》もあり、薩摩焼のことがよく分かりました。サイン会がありましたので図録にサインをしていただきました。←字も素敵です。

 
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110121 運 慶 展
金沢文庫

平安末期から鎌倉時代にかけて活躍した運慶の展覧会。なかなか貴重な展覧会と思います。

運慶の真作を、初作から最晩年作を含めて6躯観られました。

初作は奈良円成寺からきた←《大日如来》。大きな座仏、昔は金箔で覆われていたようで、その名残が随所に残っています。金属製の首飾りや、腕輪、冠が付けられています。

その隣には、栃木の光得寺からきた厨子に入った小さい《大日如来》。厨子の内側の壁には小仏が沢山飛んでいます。台座は獅子が支える蓮の台座。

愛知の滝山寺から来た←《帝釈天立像》は、一番の私のお気に入り。カラフルな衣装をを着けて、衣の模様は見事で、落ち着いた赤、緑がいかにも中世っぽい渋さ。前に結んだ紐の感じなど木彫りの技術に驚かされます。

あと、等身大の不動明王、毘沙門天、これはいわゆる運慶らしい力強い作品。

最晩年の作品は《大威徳明王》、これは小さなもので、胎内からの史料で 最近運慶の作品と分かったものです。小さいながらも6面(実際には2面)の迫力ある顔と何本かの手があったと見られるものです。阿修羅のようなもの。

美術品として鑑賞してしまいましたが、もともとは仏様たち、拝む対象・・・最後には心の中で手を合わせました。

 
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110115 池田学《焦点》展
みずまギャラリー
みずまギャラリー入り口

前述の佐藤美術館に行く前に、美術を深めている主人の希望で市谷のミズマギャラリーに寄りました。

池田学という現代のアーチストの作品の展示です。

今回の作品は22cmX27cmという小品です。絵の大きさは小さいものの絵の中身は壮大です。

海に四角の枠で切り取って、なんとその中には巨大なビル群・高速道路がある大都市がのぞいています。ちょっとシュールな感じ。しかも海の波にしろ、大都会にしろ細密にペンで書かれています。そしてカラーです。

そんな凄い発想の絵が20点ほど展示されていました。異次元に迷い込んだような面白い絵ばかりです。とても丁寧に描かれているので見ていて気持ちよいです。

発想力・想像力の豊かさ、技術の確かさを持った画家、きっと有名になると確信しました。

 
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110115 春の粧い
佐藤美術館

加山又造《夜桜》

奥村元宋《吉野細雨》

佐藤美術館は信濃町の慶応病院の裏辺りにあるこじんまりとした美術館です。

いかにも新春といった「春」、それも「花」をテーマとした展覧会です。やはり梅や桜の絵が多いです。

梅は地味な花ですが、郷倉和子《春律》は瓦の屋根にかかる紅梅が描かれています。

堂本元次《桜花水に映る》は画面の三分の二ほどを水面に映る桜の木が描かれている奇麗な絵です。

私が気に入ったのは←奥村元宋《吉野細雨》、←加山又造《夜桜》、後藤純男《古刹麗春》。

全部で20作品だけの展覧会ですが、どの絵も大きな絵で、静かに心行くまでゆっくりと鑑賞することができました。

主人は寒いのでずっと外出を控えていて、足が弱っていたので、良い散歩になりました。私も孫を暮れから預かっていましたが、昨日返してほっとして二人で今年初めての美術館めぐりでした。

やはり新春には 日本画が合いますね。

 
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eferutou,

 

c 2013 宗恒茶道教室

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